(*蓮とキョーコが付き合っている事になっていて、キョーコが一人暮らしをしていると頭の中に思い描いてください。今、キョーコは蓮と会った後部屋で一人になったところです*)












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ゆらりゆらりと揺れるこころ、闇に溶ける青い鳥に乗せて




Nightbird 2008




キョーコがベッドの上で一人寝そべっている。一人だと部屋もベッドも随分と広く感じる。二人でいる時は、一人分しかないこの部屋では少し狭くて、ずっとくっついていなければならないのに。でも、狭い部屋で十分。今はその狭さがまた心地よくて、しあわせ。ぴったり背中を合わせて、一緒に明日の台本を覚える。会話は振り向いて囁けばいい。


先程別れたばかりなのに。もう声が聴きたい。ただ「おやすみ」って言って欲しくて、キョーコはベッドの上で携帯を開いたり閉じたり・・・。


『もうそろそろ部屋に帰ったかな、もう眠ってしまったかな・・・』


会えた日の夜は嬉しくて楽しくて、そして寂しい。


傍にいる時、声を聴いている時、愛し合っている時。心臓が壊れそうなぐらいドキドキして、目が合うと恥ずかしくて・・・話がしたいのに、どんどん口数が減ってしまう。ドキドキしているなんて悟られたくないのに。言葉も思考も全てが蓮の中に奪われていく。


蓮は静かに目を覗きこむ。そして全てを察してしまう。蓮の腕の中から出られなくなる。こうして大きな腕の中に抱かれたまま夢が見ていたい・・・と甘えたくなったら、あとはもう、サヨナラの時間へのカウントダウン。



蓮は別れ際、いつも「またすぐに会いに来るよ」と言いながら、軽やかに去っていく。


『次に会えるのはいつ?』


いつでも会いに来て欲しい。蓮は来られない日、一人で、どうしているだろう。自分に会いたいと思ってくれているのだろうか。


忙しい蓮とキョーコが会える時間はほんの少し。そのほんの少しの時間があるから、また頑張ろうと思う。テレビを付ければ、CMの中の蓮の笑顔を見てどきりとして、ドラマの中の蓮を見て、不意に涙が溢れる。頑張ってる、と思いながら、見れば会いたいなと思う。


誰かに期待をするとか、信じて待つとか、得意じゃないけれど。蓮だから。全てがホンモノだと信じたい。それでも蓮だから不安になる事もある。


キョーコは『コーン』を取り出してキスをして、「大丈夫」と言い、自分をなぐさめてみる。こんな事を思っているなどと蓮が聞いたら、きっと怒るだろう、小さな不安。




まだ二人分のぬくもりが残る暖かなベッドで、蓮の香りと温もり抱き締めて、また携帯を開いて閉じて・・・明りを消して、目を閉じる。


蓮はかけがえの無いものを沢山分け与えてくれるから。だからキョーコも蓮に抱えきれないほどの気持ちと幸せを分けてあげたくて、『コーン』に祈る。


『夢の中で青い鳥になって、あなたの許まで行くから。会えないときも夜は傍にいるから』



言えない沢山の気持ちが・・・どうか、届いていますように・・・。




「キョーコちゃん、ゆっくりおやすみ・・・」



朝起きた時に気付いた、蓮からの真夜中の伝言。自分の事など、蓮には全てが分かってしまうのだろうか。それとも、自分と同じ気持ちで、電話をかけてくれたのだろうか。


互いに離れたくなくて、別れ際のキスがどんどん長くなっていく気がするから。少しは、同じ気持ちでいてくれていると、自惚れても、いいのだろうか。



この伝言も消せなくなった。
きっと次に会えるまで毎晩聞いて眠るのだろう。



今度は自分が蓮に伝言を残そうと思う。



「声が聴きたかったの」



・・・って、夜の闇の中、青い鳥に乗せて伝言を・・・。















作:2006.03.29
改:2008.11.10



アニメのオープニングでコーン石と青い鳥が舞っとりましたので、直してお蔵だししてみましたが、オープニングのイメージとは全く違います。蓮への気持ちに一人浸りきるキョーコさん・・・的な。ので小ねたで復活♪