13.その手で触れてごらん(Allie Ver.)


こんばんは。元気?
僕は今キョーコちゃんと一緒に、「てれび」というのの前に座ってるんだよ。
蓮が帰ってこないから、「一緒に見て帰ってくるの待ってようね。蓮が出るのよ。」ってキョーコちゃんが言ったから、一緒にソファの上で丸くなってるの。

でね。てれびっていう黒い大きなぴかぴかの前では、蓮もキョーコちゃんもじーっとしてる。てれびってそんなに怖い物なの?人が喋っている音がするけど。


そしたらね、そのてれびって言うのの方から蓮の声がするんだよ!こ、怖いよっ…。だって蓮、目の前にいないのに蓮の声がするの。キョーコちゃんは蓮の声がするそのぴかぴかの箱を見て、しくしく泣いているし、僕どうしたらいいのかな?その箱はそんなに怖いの?キョーコちゃん。

「ナウ・・・。」
「アリー〜〜〜〜・・・悲しいんだもん・・・・。」

キョーコちゃんは、僕を抱えて更に蓮の声のする箱を見てまだ泣いてる。僕はキョーコちゃんのほっぺたを舐めてあげたよ。元気出してっ。


「ありがと、アリー…。蓮があんまりに可哀想でっ…えぐっ…。」
「ナァ・・・・」

箱の中だと蓮が悲しくて、可愛そうなの?僕の蓮が〜…。

だから僕はその箱の前まで行って座って呼びかけてみたよ。蓮が箱の中だと、キョーコちゃんが泣いてるよって!でもね、その箱の中から蓮の顔と声は見えるのに、近づいてみても出てこない。啼いても出てきてくれない。つまんない〜…。

だから、もう一度キョーコちゃんの横に座ってみた。
そしたらもう、キョーコちゃんは泣いてなくて、まだじっと箱を見てる。蓮を呼んでも出てこないのに、そんなにいっぱい見てるって変だよねっ。

『リュー…』
『ナァ…』


・・・・・ニャ?蓮が呼んだ名前は僕じゃないっ…。他の猫を呼んで、僕と遊んでくれる時みたく頬ずりしてるっ・・・・。僕、蓮って呼んだのに!!!ずるい〜〜〜。


「ナァァァ〜〜〜〜〜…」

「落ち着いて。アレは違うの。蓮がアリー以外飼うはずないでしょう?アレはね、蓮だけど蓮じゃなくて、『やく』なのよ?お仕事なの。あのにゃんこは、蓮が『やく』で飼ってるの。蓮が飼っている本当の猫じゃないのよ。アリーの代わりなの。ねぇ、分かる?」
「・・・・?」

やく・・・っていうのは蓮のお仕事って、前にキョーコちゃんが言ってた!

「ナァ〜・・・・。」

なーんだ。お仕事で可愛がってる猫なんだね。良かったvキョーコちゃんは僕の背中をいっぱい撫でてくれて、ちゅうしてくれたよ。ありがとっ、キョーコちゃん!!

「誰を、どの猫を想像してこのドラマをやっていたか教えてあげようか?」

蓮の声が箱と後ろと両方からするよ???キョーコちゃんはすごくびっくりして、僕は落ちそうになったから、そのまま床に降りたよ。

「ひあッ・・・・!!・・・・お、お帰りなさい。」
「背中がね、アリーもキョーコちゃんも同じように丸くなって見ているからおかしくて。」
「傍にいたの?」
「うん。気付かないなって思いながらね。アリーおいで。」
「ナァ!」

今度は、ちゃんと蓮って呼びかけたら名前呼んでくれたよっ。やっぱり、こっちの蓮がいいっ。ほかの猫を可愛がってる箱の蓮なんてつまんないっ。

「アリー・・・」


優しく名前いっぱい呼んでくれるからね、僕は蓮にすりすりってしてみた。やっぱり、触れるのがいいよねっ。箱の蓮、触れないもん。


「ねぇ・・・蓮。」
「ん?」
「何で・・・アリーを選んだの?」
「・・・・目が合ったからだよ。」
「目が?合う?」
「だろう?アリー・・・?」
「ナァウ。」


そうだよっ。僕がお母さんから離れて初めて一個のお部屋に移されちゃった時、ちょっと寂しくて啼いてみたら、歩いていた蓮がね、振り向いてくれたんだよ!!じっと僕を見ていて、(なぜか可笑しそうに)笑ってくれたから、もっと笑って欲しくて、尻尾を振ってみたよ。それで蓮のおうちに来たの。

「ほら。ね?」
「ふふ・・・・そうね。」
「ちなみに君を選んだのは飽きないから。」
「・・・・・・・・えぇ、そうでしょうとも。」
「くすくす・・・・。」

うん、僕もキョーコちゃんと一緒にいると楽しいから好き〜♪
いっぱい遊んでくれるもん。

「そろそろ、君も構おうか?」
「いいえ?」
「そう?」
「アリー、君はもうおやすみ。」
「ナァウ?」


ニャ・・・・?もうおしまい?床に下ろされちゃった。僕、箱の蓮じゃなくて、いつもの蓮がいいっ。蓮がほかの猫のトコ行ったらやだもん。僕、明日の朝もちゃんとご挨拶するからっ・・・・。ずっと僕のご主人様ってやつでいてほしいもん・・・。



「アリーおいで。私が遊んだげる。」
「ナァウ。」


キョーコちゃんっ・・・・!やっぱりキョーコちゃんだいすきっ。
もし蓮が僕じゃない猫のトコ行っちゃったら、僕キョーコちゃんのおうちいっちゃうもんねっ。

ふんふんふん〜♪

キョーコちゃんといっぱいちゅうしたよ。いいでしょ?蓮。
僕と遊んでくれるキョーコちゃん、とっても可愛いの。

「ふふ、くすぐったい。」
「キョーコちゃん…アリーを抱く時は本当に可愛い顔をするよね。自覚してないんだろ?どうせ。オレが抱いてもそこまでの顔するかな?」
「だってアリーは可愛いもの。ね?アリー?」
「ナウ。」

えへん。僕は可愛いって。
可愛いっていうのは、キョーコちゃんみたいに?


「ほら。ね?」
「くすくす・・・。確かに可愛いけどね。」
「なんで猫なんて飼おうと思ったの?」
「そこに居てくれたら…オレは否応無しにココに帰ってくるだろ?一匹だと静かだけど今は二匹になってにぎやかだよね。」
「・・・・・・む。」
「くすくす・・・。」
「猫はね、可愛がってくれる人を分かってるわ。」
「そうだね・・・・・。」


蓮がキョーコちゃんをぎゅってしたから、僕はちょっとしてキョーコちゃんの腕から出て床に下りちゃった。だって・・・・こんな時お邪魔すると・・・・蓮の後ろのオーラが怖いんだもん・・・・ぐすん。さっき、「おやすみ」って言ってたし…きっと、このあとすごい仲良しになっちゃうから、キョーコちゃんが寂しくないし、僕の出番はおしまい。

でもね。

「キョーコちゃん・・・。」
「にゃあ。」

キョーコちゃん!!僕の言葉分かるの???すごいねっ。もっと喋って?
今、キョーコちゃん、僕の言葉で「なあに」って言ってたよ!!!

「・・・・違うだろう・・・・。」
「どうせ誰にも懐かない手のかかる猫だものっ・・・。」
「ふ・・・他の男に懐かれても困るけどね。だろ?アリー。」
「ナァウ。」

キョーコちゃんが蓮と僕以外の男の人のトコいっちゃったら、もっとヤダー!

「アリーも同感だってさ。」
「アリーはいい仔だからどんなお客さんにも懐くわ。」
「・・・・君は悪い子でいい。」


キョーコちゃんはスゴクいい女の子だよ〜〜〜。蓮てば変なのっ。
ウソついちゃだめってお母さんに習わなかったの?




「ねえ蓮?ずっと触れてて、いい・・・・?」



・・・・・・・・・あぁっ・・・・またいっぱい仲良しになっちゃった・・・・・。

ぎゅってして、すりすりってして、ちゅうをして、まるでキョーコちゃんが猫みたいで可愛いの!!僕、もう一匹の猫が来るなら、キョーコちゃんみたいのがいいっ。そしたら、僕、その猫をお嫁さんにするっ。だってキョーコちゃんは蓮ので、僕はダメなんだもん。

ぐすん・・・・こんな時、キョーコちゃんみたいな女の子の猫、欲しいなぁ…。


「・・・・アリー、さぁあっちに行こう。もうこの部屋は真っ暗にするよ。」
「ナァウ」

僕を抱えたキョーコちゃんのオーラは優しいピンク色で、蓮が大好きって言ってる。分かってるって、蓮のオーラは言ってて、二人は無言でおしゃべりしてるの。キョーコちゃんの後ろにいるなんか小さいのがね、蓮にいっぱい「すき」って言ってて、すっごい可愛いの。

蓮はキョーコちゃんごと抱えて、僕もキョーコちゃんの腕の中で、ふわふわお空。けどね。蓮とね、キョーコちゃんはねっ・・・・そのままちゅうしててっ・・・・ぼ、僕・・・・お邪魔しないように出来ないよっ・・・・。あ、あのっ・・・・いいのかな、いっぱい仲良しのトコに一緒にいて・・・・。


「アリー・・・アリー・・・・。」


・・・・ニャ?お、お呼びっ・・・・?


「ナァ・・・・」
「いい仔ね・・・・。今日ね、アリーね、蓮が他の猫をね、抱っこしているのをテレビで見てね、嫉妬したのよ。可愛いでしょう?」
「・・・・君はオレを見て泣いてたね。」
「ふふ・・・・可哀想で・・・・。アリーは私を見て、本当に泣いているんだと思って、いっぱい顔を舐めてくれたの。本当に、優しい仔・・・。」

沢山頭を撫でてくれて、そのまま蓮の部屋まで一緒に行ったよ。蓮はキョーコちゃんを降ろすと、僕を抱き上げてくれて、「いつもそこにいてくれてありがとう。お前も愛してるよ。」と言ってくれた。

「ナァ。」

僕も、蓮が好きだよ。キョーコちゃんと同じぐらいねっ!!!
僕をキョーコちゃんと一緒に可愛がってくれてありがとう!!


「アリーは蓮にとって思わず触らずにはいられない愛しい仔、だもんね。」
「そうだね・・・・。さあアリー。今度こそおやすみ。また明日の朝にね。」
「ナア。」

僕の寝床まで運んでくれた蓮はそう言って、僕を下ろすと、いなくなった。蓮とキョーコちゃんは毎日いっぱい仲良しなんだろうなあ・・・・。僕も毎日蓮とキョーコちゃん、もっと触りたいなあ。


じゃーね。蓮がおやすみって言ってたから、僕ももう寝るね。
おやすみなさい。また明日の朝ね!












2007.01.23

もともとアリー視点が最初だったものを御題にして書いた後、はて・・・アリーは途中でどこへ行ったんだろう・・・と自ら一人心の中でツッコミを入れ、そっとフェードアウト大作戦でもいいかな〜とか思ってたんだけど、「アリー視点も書いてv」と言っていただけたので早速書いてみました。もともと予定していたアリー視点とは随分と違う話になりましたが、最後までみんなで仲良しな夜だったのでした。