魔法の国のキョーコさん3@琥珀さんのねがい



 

 

キョーコさんが裏庭のお花たちの手入れをしていると、遠くで蓮様と誰かが話している声がします。キョーコさんは、お客さんかしら?と思い、手を洗って泥を落としてから、妖精の国入り口のドアを開けて家の中に入りました。

 

きょろきょろ、と、声がするほうを覗いてみると、蓮様は、手の上に向かって話をしています。手の上には、見た事が無い妖精のようなものの姿が見えました。

「こんにちは」

と、キョーコさんが声をかけると、手の上の妖精の様なものが驚いたようにキョーコさんを見て、

 

「私が見える?」

 

と言いました。

 

「ええ、妖精さんのように見えますけど・・・。私はキョーコです。この家で敦賀さんと魔法を勉強しながら、しあわせ鳥を育てて過ごしています」

「キョーコちゃん、今日、胡蝶さんが届けてくれた荷物を開けたら、このペンダントと一緒に彼が出てきたんだ」

 

そう言って、蓮様はまだ理解できないように届いた荷物の箱を指さしました。

 

「どなたからのお荷物ですか?」
「父王からオレたちへのプレゼントみたいだよ。そうだよね?」
「私は琥珀といいます。今から3000万年以上前、木の液体から出来た石の様な化石のようなものです。普段は丸い形をして飾られている事が多いんですが・・・・ここについた途端に、なぜか、こうして人のような形になり、話まで出来るようになったので、よく私も状況が分かりません」

「3000万年前?」

キョーコさんは、目を遠くの方へ向けたまま、それがどれ位遠いかを考えて、

「恐竜の時代・・・?ですか・・・?」
「もう恐竜はいませんでしたよ」
「・・・・・ずっと、見てきたのですか?」
「いいえ?ずっと埋まっていました。皆さんが掘り出してくれるまではただ、大地や木や空が話をしてくれるのを聞いていました。話す事はできましたが、動く事はできませんでしたから、外に出られて鳥や虫のように旅ができる事をとても嬉しく思いました」

ぺこり、と蓮の手の上でお礼を言い、その琥珀さんは言いました。

「3000万年分の知識を知っているのですね・・・・神様みたいです」
「そんな事は有りません。キョーコさんがそこに身につけていらっしゃる石は、1億年前にできたものです、と、石が言っています。それに、キョーコさんはいつも神様と直接お話をされていると、石が言っています」
「1億年・・・!琥珀さんは石とお話ができるのですね?」
「私は、普段形がない分、ありとあらゆるものの声が聞こえています。でもなぜ私はこのように妖精のような形になっているのでしょうか?なぜ話ができるのでしょう?それが分かりません」
「皆さんの声が聞こえるなんて楽しそうですね!魔法も使えますか?」
「いいえ?私は長い間ただそこにあるだけのものですから」
「そうなのですね・・・?ねえ蓮、父王に聞きに行きましょうか?」
「そうだね。どこから来たのか、どうして妖精のように見えるのか気になるね」

 

数日その琥珀さんはキョーコさんの家で自由に過ごしました。
人間の本というものが最も気になるようでした。
本の紙が木から出来ていること、様々な歴史や知識が載っていること。
文字を読む事ができないので、それをキョーコさんが琥珀さんに読んで聞かせました。

石と魔法の歴史、という本の中に、琥珀、という項目があって、琥珀さんはとても興味深そうにそれを聞いていました。

 

「私は、もうそこのペンダントの中には戻らないのでしょうか。妖精として生きる必要があるからこのようになっているのでしょうか」
「・・・私たちの目に見えないようになりたいですか?」

キョーコさんは少し寂しそうに言いました。

「いいえ・・・一時でも神様にこのように違う形に作って頂いたからには何か必要があるのかと思っただけです」

琥珀さんは、テーブルの上で、くるり、と一度回って、ご主人様であるキョーコさんにうやうやしく頭を下げました。

「丸い形の時と、今と、何か違いますか?」
「いいえ?ただ、自分で動ける事だけが違います。私は常々、世界を見て渡りたいと思っていました。大地や風が言う、人の暮らしや海の生き物のくらし、というものが、どういうものなのか見てみたく思っていました。見つけてさえもらえれば、私たちはペンダントや置物として誰かの手の中で生きる事も世界を見る事もできます。ですから、掘り出してもらい、形になった時、誰かとても面白い世界を見せてくれる人の所へ行きますように、と、神様にお願いをしました。そうしてたどり着いたのがこの家です」

 

琥珀さんは、キョーコさんが飲もうとした琥珀色の液体が入っているティーカップを見て、「琥珀の液体ですか?」と言いました。

 

「いいえ、これは、紅茶です。乾燥させた葉をお湯にひたすと美味しい紅茶という飲み物になるんです!紅茶以外にも、様々な国に様々な国独特の琥珀色の飲み物があります・・・飲んでみますか?」
「いいえ。琥珀は熱に弱いのです。それは熱そうです。この姿なのでもしかしたら飲めるかもしれませんけど、ちょっと怖いです」
「そうですね、じゃあ、クッキーをどうぞ」

 

琥珀さんはそれをほんの小さな一かけらを口にして、「おいしい!」と目をときめかせ、キョーコさんも、にっこりと笑いました。

 

「琥珀さんは、食べ物を食べるのですか?」

「普段は当然食べません。でも、人間や動物が食べものの話をしているのは知っています。おいしい、と言いながら食べる事も。やっと、「おいしい!」の本当の意味が分かりました。ありがとう、キョーコちゃん。これは、本当に美味しいです」

「それは良かったです!でも、人間の食べ物よりも、妖精の木の実の方がいいですか?琥珀さんは、ここに来てから何も食べませんね?おなかがすきませんか?」

「どうなんでしょうか?食べ物を食べた事が無いので、おなかがすくとか水を飲むとかいう感じが私には分からないのですが。わたしは、妖精になってしまったのであれば、妖精の木の実を食べるのが良いのでしょうか?」

「私にもよく分かりません・・・・。やっぱり気になります。・・・・そうだっ!私と一緒に、泉のほとりに住んでいる神様の所へ行きませんか?」

「神様?」

「この世の事は全部知っているすごい人なんですよ?」

「お知り合いなのですか?」

「そうですっ。黒くて、のっぺりとしているなまず、という名前のお魚のような形をしています」
「?」

琥珀さんはキョーコさんのペンダントに付いていき、泉のほとりまで到着しました。

 

「かみさまーかみさまいますか~?キョーコです~」

とキョーコさんが何回か呼ぶと、ざざざざざ、と水が波立ち、一瞬ものすごい光のあと、気づくと、なまずのような魚が、やあ、と手をあげてこちらを見ていました。

 

「やあ久しぶり」

「神さま♪お久しぶりです。こちらは琥珀さんです」

「私は琥珀といいます、はじめまして神さま」

「おお、琥珀君。相変わらず美しい。どうした」

「ええ。キョーコちゃんの家についたら、なぜか、ペンダントから私が抜け出して、こうして妖精のような姿になってしまいました。どうしてなのか、私はどうしたら良いかお伺いしにここまできました」

「ふむ」

 

と神さまは言って、キョーコさんに、「何か魔法でもかけたかい」と言いました。
キョーコさんは、首を振ります。

 

「いいえ?敦賀さんがお手紙をあけたら、琥珀のペンダントと一緒に琥珀さんが出てきたと言っていました」

 

「琥珀」

「はい」

「お前は掘り出される時に、私に強く他に何か願い事を言っただろう?」

「・・・・・・・・」

「それが、お前のする事だ」

「はい・・・でも」

「お前が願ったからその形になった。その形を見てくれる人のもとに届いた。それ以上でもそれ以下でもない。全ての答えはお前がよく知っている。願ったのはお前だ」

「はい、ありがとうございます、神さま」

「なに、私は何もしていないよ。琥珀君は世界を巡りたかったのだろう?」

「はい。長い事この星の中の世界という世界を旅してみたく思っておりました」

「それならば、キョーコちゃんと一緒にいればいい。人間の中でも目に見えないものを見て、世界中の妖精や精霊と友人だ。蓮は人間として世界中の王という王と話す事が出来る。すぐに琥珀君の探すものも見つかろう。元々化石のお前だ、食べ物は無くてもいいが、好きなものを食べればいい。しばらく本当の妖精になるまでは特におなかがすく事もないだろうが」

黒いなまずのような神さまは、琥珀さんとキョーコさんに可愛くウインクをして、

「じゃあ、私はこれで帰ろう。キョーコちゃん、また会おう。体に気をつけるんだよ」

 

と、言って帰ろうとしたので、キョーコさんは慌てて、

 

「あ、神さま待ってください~!これ今日私が焼いたクッキーとパンです!お土産にどうぞ!!」

と言ってそれを手渡しました。

神さまは一瞬目が痛くなるほどの光を放つと、なまずのようなものから、全身が白く光り輝く人間のようなものに変わってそれを受取りました。琥珀さんもキョーコさんも驚きながら手を振り続け、また泉に渦を巻いて帰っていく神さまの姿を見守りました。

「行っちゃいましたね」

と、まだ信じられない様子で琥珀さんが言うと、長い事会ってきたキョーコさんはもっと信じられなかった様子で、口をぱかん、と開けて、長い事ぼーっとしていました。

 

「神さまってば変幻自在なんですね。私、人の姿は初めてみました・・・。こ、この世のものとは思えない美しさでした・・・!ず~っと全部を知っていると言っていたので、もっともっともっともっと仙人さまのようなおじいちゃんなんだと思っていました・・・・」

 

そこへ、がさがさ、と音がしたので、二人が顔を向けると、蓮様が二人を見つけて「いた」と言い、すぐそばまでやってきました。

 

「敦賀さん」

「どこに行ったのかと思った。なんだかすごい光だったけど・・・何かあった?何かの魔法?」

「琥珀さんが、どうして妖精の姿になったのか知りたがっていたので、父王よりも神さまに聞いた方が早いかなって思って・・・・神さまにお話しに来ました。今お帰りになったところです・・・」

「そっか。何か分かった?」

「それが・・・」

とキョーコさんが琥珀さんの方を向くと、琥珀さんが言いました。

 

「分かりました。私はやはり、望んだからこの形になったらしいです。琥珀の妖精になって、世界中を飛び回りたいと以前、掘り出される時に神へお願いをしました」

「うん、その事なんだけどね。父王がこう言っていた。『このペンダントが妖精になりたがっているようだから、キョーコの所へ預けよう』って・・・。それでうちに来たようだよ。オレは、妖精が生まれる瞬間を見たらしい」

「えー!!見たかったです~!」

「妖精なのかな、3000万年も生きているともう九十九神なのかな?」

「私は妖精のように飛び回りたいと願いました。だから、多分妖精です」

「そっか、良かったね、琥珀さん。願いがかなって」

「ありがとうございます、キョーコちゃん、蓮様」

 

キョーコさんは、「そういえば」、と言い、ふと思い出したように琥珀さんの方を向きました。

 

「やりたかった事は、本当に世界中を旅する事ですか?」

「え?」

「何だか、神さまは琥珀さんにお話していた時、もっと真剣な顔をしていました。探すものもすぐに見つかると言っていました」

「ええ、世界中を旅して、探したいものがあるのです」

 

琥珀さんは、歩いて泉のほとりに生える木に触れて言いました。

 

「私と一緒に3000万年ずっと一緒にいてくれた、木の化石のペトリの一人に会いたいのです。」

「・・・琥珀さんは、どこから発掘されたか分かりますか?」

とキョーコさんが問うと、蓮様がキョーコさんのつけていたペンダントを手にして、しばらくじっと見つめて、

「ニッポン、みたいだね。これ、ニッポンの皇帝から父王への贈り物だったみたいだね。それなら出所を辿って行けば、会えるんじゃないかな?」

 

と言いました。

 

「何の魔法ですか?」

「え?琥珀の記憶に聞いた」

「「え!!」」

キョーコさんも琥珀さんもびっくりした顔をして言いました。
キョーコさんは単純に蓮様の魔法のような早さに驚いていましたが、琥珀さんはものの記憶を読める人がいることに驚いていました。

「いや、いつも君の持っている石にだって色々話を聞くだろう?」
「あ、そうでした・・・」

キョーコさんは少し恥ずかしそうに笑いました。
琥珀さんは、蓮様に、日本への行き方とその場所を問いました。
そして、その方法と場所を知ると、もう出かけるといいました。

 

「もう行っちゃうのですか?」

「ええ。私は、ペトリに会いにいかねばなりません。彼女は埋まったまま私を待っているのでそばに行きたいと思っています。私は掘り出されるなら旅をしてみたいと望みましたが、ペトリが一緒に居ない事を考えていなかったのです。もしかしたら私が出たことで一緒に掘り出されてどこかへ行ってしまったかもしれませんね。そうしたら探しに世界中を巡ります」

「ペトリさんは奥様なのですか?」

「そのようなものです。パートナーとでもいいましょうか。でも一緒に居た年月が長すぎて殆どが自分と同じようなものです。まさかこうして別れる日が来るとは思っていませんでしたから」

「そうですか・・・・私も、もし敦賀さんと何かの事情で引き裂かれてしまったら、世界中のどこまでも探しに行きます!」

キョーコさんは勇ましく蓮様を見ました。
蓮様はにっこり笑ってキョーコさんを見て、紅い頭巾の上から頭を撫でました。
そして、琥珀さんに向かって言いました。

「・・・・琥珀さん。ペトリさんを探したらどうする?その場にまた一緒に居るの?」

「わかりません。それは彼女に聞いてみないと・・・」

「彼女も一緒に旅に出たいなら、オレが掛け合って近くを掘り出してもらおうか?多分、この泉に連れて来たら、もしかしたらペトリさんも妖精になれるかもしれない。もしかしたら、だけど。そうしたら一緒に世界中旅が出来るだろう?」

「本当に?」

「多分、だけどね。この間、手紙と箱が来たとき、うっかり、汲んで来たばかりのこの泉の水をかけてしまったんだ。それで開けたら琥珀さんが出てきた。神さまの泉だから・・・そんな事があってもおかしくない。でも、泉の水をかけるのも、彼女が望めば、だけどね」

「そうです、神さまも言っていました。望んだから、その姿になって、やる事があるって!」

 

琥珀さんは蓮様について、父王に会いに行きました。
父王は、琥珀さんで妖精を初めて見る事が出来てとても感激して、ニッポンの皇帝に掛け合って、願いをかなえる事を約束しました。

 

「ありがとうございます、父王」

琥珀さんが恭しく頭をたれると、父王は嬉しそうに笑いました。

「私にも妖精が見える日が来るとは思わなかった!私はまだまだ勉強する事がたくさんあるようだ。そうだキョーコ、そのペンダントはお前にやるから、また琥珀が帰ってきたときの家として大事にとっておきなさい」

「はい、わかりました」

 

琥珀さんは父王の元で待つことになり、キョーコさんと蓮様は、久しぶりの王宮を数日楽しんだ後、歩いて家まで帰りました。

帰り道にふとキョーコさんが思い出して、

 

「ねえねえ敦賀さん」

「なに?」

「この間、神さまに会ったんですけど」

「うん」

「ず~っと、なまずのような黒くてつるっとした格好をされていたので、泉ですし、お魚にしかなれないのかと思っていました。そしたら!すっっっっごい綺麗なこの世の人とは思えないような人になって、クッキーとパンを受け取ってくれました!!もう、本に書いてあるような、本当に魂を抜かれるほど美しい人とはああいう人の事をいうのですね!」

「へぇ・・・そんなに綺麗だったんだ?女の人?」

「いえ、男の人ですよ?」

 

と言った所で、キョーコさんは、はた、と、足を止めました。
蓮様が綺麗ににっこり、と笑ったのをみて、続けるのをやめてしまいました。

 

「そうなんだ?(にっこり)」

「・・・・・・あの(わぁ!!その笑顔、何だかこわいですっ)」

「すっごく綺麗な男の人なんだ?(にこにこにこ・・・)」

「・・・・ハイ・・・・(こわい、こわいです、敦賀さんっ・・・)」

「それは会いたかったなあ(棒読み)」

「つるがさんっ・・・・あの、神さま、ですからね?普段は、黒くのっぺりとしたナマズみたいな・・・・」

 

キョーコさんは蓮様が神さまにまで嫉妬するのを、困った顔をして聞いていました。

 

「知っているよ。オレには、いつも、もっと違う形に見えていたんだけど・・・いつも自分が思う形に見えるんじゃないかな?」

「ええっ!どんな形に見えていたんですか?」

「この世のものとは思えないとても美しい姫だよ。いつもオレに結婚してと口説いてくれる。魂を確かに抜かれそうだ(ウソだけど)」

「えーーー!!!やです、神さま、本当に綺麗だからっ・・・。きっと、祝福の精霊さんと同じ位綺麗なんでしょうね・・・」

 

蓮様がにっこり、と笑って冗談を言ったのを、キョーコさんは既に涙目です。
蓮様は苦笑いで、言いました。

 

「オレがもし神さまに負けて結婚してしまったら君が探しに迎えに来てくれるんだろう?」

「神さまといえども、泉に飛び込んで探しに行って、返してもらいます!ダメです、私のって」

「頼もしいね、オレの奥さんは」

 

蓮様がそう言うと、キョーコさんは、うわーん、と言いながら、走って妖精の森を抜けて、急いで泉へ行きました。

 

「かみさま~神さまっ!!早く出て来てくださいっ」

 

キョーコさんが呼び出すと、可笑しそうに笑いながら黒いナマズのような、いつも通りの神さまがまばゆい光と共に出て来て、言いました。

 

「神さまっ!敦賀さんは私のなので、持っていかないでくださいねっ!」

「・・・私は蓮は口説いてないよ、キョーコちゃん。あれは蓮のほんの冗談さ。キョーコちゃんが私を見て褒めたのがイヤだっただけに違いない」

「・・・・え?そうなんですか?本当に口説いていませんか?というか、全部聞こえていましたか?」

「全部知ってる」

「そうですか/////。あの、じゃあ、蓮と私のこと恥ずかしいので全部は見ないでくださいね?」

「はは。私の事を呼んでいる人の所を先に見るから、全部見ないよ」

「・・・・だといいです。でも神さまは全部知っていますよね?」

 

キョーコさんの後を追ってきた蓮が泉に着き、神さまに言いました。

 

「この世のものとは思えない美しい人になるのだと伺いました。まるで魂を抜かれたような気持ちになるのだとか?」

「これ、蓮。私を使って冗談を言うでない」

「ふふ、すみません。彼女があなたに取られてしまうような気がしたので。まだあなたの元へ帰るのには早すぎる。私から取り上げないで下さい」

「まだまだ楽しい未来はこれからだろう?琥珀のように、まだ見たいものも、旅行したい先もたくさんあるだろう。ニッポンもいいし、あと、グラストンベリーも行くといい。あそこには妖精の国の入り口がもう一つある。きっと、面白い」

「え!妖精の国入り口がまだあるのですか?」

「あるさ、世界中にね」
「そうですか!それは旅行してみたいです。・・・・琥珀さん、無事、ペトリさんと会えるでしょうか?」

「さあ、私は全部を知っているがそれはまた琥珀の口から聞くのが楽しい事だろう。旅の無事を祈るがいい」

「そうですねっ♪」

 

キョーコさんは、王宮から持ってきた王様から貰った綺麗なフルーツの籠を泉に差し出して、言いました。

 

「はい、神さまへのお土産です」
「おお!おいしそうなフルーツ♪」

 

言うが早いか、光と共にまた魂を抜かれそうなほど綺麗な人になって、それを受け取りました。
そして、また手を振って、泉に帰っていきました。

 

「確かに、魂を抜かれそうだ」

 

と、蓮も驚きながらそれを見守り、二人は笑いながら神様に手を振りました。

 

「綺麗な人ですね」

「やっぱりオレには女性に見えたんだけどな」

「え~~!!あれは綺麗な男の人にしておいてください、じゃないと、敦賀さん持っていかれてしまったら私、困ってしまいますから」

「神さまともなると、男性でも女性でもないのかもね。何でも知っていて、魔法は全て使えて、願えば何でも創り出せるんだろう?確か・・・・」

「いいですね~♪魔法使いの王様ですっ。神さまに教えてもらえるうちに、私ももっと勉強しないと!琥珀さんがペトリさんを連れて帰ってこられるように、このペンダントも、大事に飾っておきましょう」

 

キョーコさんは、胸元の琥珀のペンダントに一度触ると、蓮様の手を取って、スキップをしながら家へと向かいました☆☆☆

 

(おしまい)

 

 









2015.2.18



ペトリさんは、ペトリファイドウッド(珪化木(けいかぼく))という、木が水晶化した化石から名前を貰いました。 琥珀さんもペトリさんもとても素敵な化石です♪