魔法の国のきょーこたん@赤ずきんちゃんと犬の王子様 その2





『誰だ、お前は。』
『誰だとは失礼だな、その赤ずきんの飼い犬の癖に。』
『・・・・・・。』
『オレはその赤ずきん自身に用があるんだ。てめぇには関係ねぇだろ。』
『ヒョウの癖に。』
『犬に言われたくねぇ。オレは単にこのカッコをしているだけだから。』
『じゃあね、またカッコを変えてやろう。』


――ぽんっ☆


そう真っ黒な犬が言うと、そのヒョウは、なんと小さながま蛙に変わりました。


『なんだ・・・?』
『泉に姿でも映してみたらいい。』
『な、なんだこの醜いカッコはっ!!!オレ様には似合わねぇだろっ。お前っ・・・もしかしてキョーコが作った魔法犬かっ。ちっ・・・・また余計なモン作りやがって・・・。』
『戻して欲しくば帰るんだな。』
『犬の世話なんてうけねぇよ。犬は犬らしく大人しくしてりゃあいいんだ・・・。』
『そうだね。主人に寄るヤツはオレが全部排除しておいてやろう。』


――ごろ、ごろ、ごつん。



そんな様子にはついぞ気付かず、寝返りを打って魔法のご本から頭を落としたキョーコさんは、ようやく眠りから覚めました。黒い犬は、キョーコさんの傍に寄り、頭を打ったキョーコさんを覗き込みます。

『おはよう。』
「いたた・・・・ふあぁぁぁ・・・・うん?何?どうしたの?」
『よく寝ていたね。』
「・・うん。ひゃっ・・・なに、このかえるっ。」
『オレだっ。』
「・・・・ショータロー?なんでアンタ今日はかえるなの。あんたもう少しましなカッコには化けられなかったわけ?」
『んな事はどーでもいいだろ。今日はお前に用事があったんだっ。』
「何?」
『もう少しで魔法の国の王子の一人の戴冠式があるから、服を用意しとけって。あと、泉で身を清めてから来いってさ。』
「ふーん・・・そう。ありがと。」
『じゃあ、伝えたからな。』


――ぴよーん、ぴよーん・・・

――ぴよーん、ぴよーん・・・・


「あんた・・・それじゃいつまで経っても帰れないわ。帰る間に干乾びるんじゃない?・・・・元に戻してあげるから、普通のカッコで帰りなさいよ・・・・ぶふっ・・・くっくっくっ・・・・。」


――ぽんっ☆


「ったく・・・なんだお前の魔法犬は・・・そんな強力な魔力を持った犬、会った事ねぇよ・・・。そんなに力分け与えてどうする。」
「魔法犬?」
「その黒い犬。」
「コレ?さっき会ったばっかりよ?泉に連れて行ってと言うから一緒に来たんだもの。」
「・・・・・・?」
「もしかして、この子私を守ってくれたのかしら?なんだ、魔法犬だったのね。人間の食べ物も平気なわけね。誰の魔法犬なのかしら?きっと探しているわ。自分の魔力の一部だもの。無くなったら大変!早く飼い主に返してあげなければ。」


すりすり、とその大きな犬の身体に頬ずりしたので、ショータローさんは慌てます。キョーコさんをその犬から引き剥がしました。


「お、お前っ・・・やめろ、それはっ・・・・。」
「え?」
「いや・・・あのなぁ、人の魔法犬なんだから、やめとけって・・・いう意味でっ・・・。」
「だって、すごーく可愛いの、この犬。私にもこういう犬作れるようになりたいっ。こんなに美しい魔法犬始めてみたものっ。」
「・・・・・まあいい、用意、しとけってさ。お袋から。」
「もう、王子様の戴冠式なんて何が楽しくて行くんだか・・・。」
「お前好きだろ?『お・う・じ・さ・ま☆』。しょうがねぇからエスコートしてやるよ。」
「う、うるさいわねっ。蛙に戻されたい?」
「はいはい。もとのカッコで帰りますよ。じゃーな。おい、そこの犬。キョーコに何かしやがったらただじゃおかねぇからな。」


――ぽんっ☆


再び金色のヒョウに戻ったショータローさんは、元来た道を戻って帰りました。





まだまだ続きます☆



2007.03.17