魔法の国のキョーコさん@きらきら星をとりに行くの巻☆




キョーコさんは珍しく、蓮様におねだりをしています。


「敦賀さん、敦賀さんっ!!!私、神様がいっぱいの国に行きたいですっ。」
「ニッポン・・・かな?」
「そう、それですっ。青い海、珊瑚礁が沢山で、数え切れないぐらい神様がい〜〜〜〜っぱい、いらっしゃるのだそうです。」
「そうだね。どうして急に?夏だし、海に行きたい?」
「海!!私、この国から一人で外に出たことがないので、一度も海を見た事がありません。海は大きいですか?」
「正面見渡す限り一面が清めの泉だと思えばいい。」
「・・・・・・・・・(ほわわわわん)・・・・・・・・♪」
「・・・・・・(行くしかないだろうね・・・・くすくす・・・)」


そんな訳で、キョーコさんは生まれてこの方初めて、念願の神の国、オキナワという場所へ、連れて行ってもらえることになりました。蓮様との遠出のおでかけも久しぶりです。


「ひゃ〜〜〜〜〜〜暑い〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」


着いたとたん、見たことが無いほどのキラキラの太陽に、キョーコさんも眩しそうに目を眩ませ、蓮様の背中に隠れます。


「ホラ、あそこに見えるの全部が海だよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・!」



キョーコさんは想像していたより、もっともっと大きい海に驚き、誰もいない砂浜を一人走り、波打ち際まで行きました。一面絵で見たような水色の海、引いては寄せる波としばらく楽しく遊んで、既に海で泳いでいた蓮様を呼びました。


「敦賀さん、小さな小さな神様を沢山発見しましたっ♪」


キョーコさんが波打ち際の白い砂を手に掬うと、そこにはデコボコした形の砂が入っていました。


「コレっ・・・・私、コレを見たかったんです。お願い事を叶えて下さる「しあわせの神様の砂」なんです!!!太陽の砂の神様と、星の砂の神様です。可愛いっ!!!」


キョーコさんの手の中の、ちいさなちいさな、太陽の形や、星の形をした砂を、嬉しそうにきらきら笑顔で蓮様に見せます。


「へぇ・・・(オレは砂よりキョーコちゃんのワンピース姿の方が可愛いと思うけど・・・)・・・・・・・本当に星の形をしているね。」

「ココの神様はお守りにちょっとだけ頂いて帰っていいって聞きました。楓さんと葵さんにお土産・・・☆コレって何かの生き物の生きた証なんですっ♪だからココには頑張って生きた小さな神様がいっぱいで、とっても綺麗で神聖な場所なんです。そして!!!ココからが重要ですっ。」

キョーコさんは難しい顔をして、ずずい、と蓮様に内緒話のような体制をとりました。

「・・・・?」
「持って帰る時のとっておきの魔法の呪文は、一番大事なお願いをかけながら砂を小ビンに詰めるんですっ☆ね、ね、敦賀さんも詰めませんか?」


楽しそうにいつものバスケットの中から、小さなコルクの小ビンを取り出したキョーコさんは、蓮様の手のヒラに一つ乗せました。


「魔法の呪文は、叶うまで口に出したらいけませんっ。」
「一生叶わないお願いだったらどうするの?」
「叶いますもん!」
「例えば・・・・子供が15人欲しいとか。」
「えぇっ・・・・・!・・・・(ぐるぐる)・・・・・・。」
「ウソだよ・・・じゃあ・・・・」
「お願い事は、言わないで下さいねっ????」
「くすくす・・・・・叶ったら言っていいのかな。」
「どうなんでしょう・・・?」
「ま、いいか・・・・。」


蓮様もキョーコさんも黙って小ビンに三分の一ぐらいの砂を詰めました。きゅっとコルクを締めて瓶のフタを閉めると、キョーコさんはきらきら笑顔で、蓮様を見つめました。


「・・・・・・お願いは・・・口に出さないんじゃなかったの?」
「はわわっ・・・・そうでしたっ、言ってはいけません。」
「くすくす・・・・君のお願いはきっと口にしても叶うと思うけどね・・・。」



キョーコさんはバスケットに、詰めた星の砂の小ビンをそっと戻して、二人で海で遊ぶ事にしました。

海の中を歩く蓮様の片腕に乗せられたキョーコさん。キョーコさん一人では足が立たない所まで蓮様は連れて行ってくれます。そして、澄んだ海の中に、キョーコさんは妖精さんを発見しました。目が合ったので、手を振ると、手を振り替えしてくれました。そして、すいすい泳いでまたどこかへ行ってしまいます。


「わぁ・・・海に住む妖精さんは、海の中で飛ぶように泳ぐのですね。きれい・・・人魚さんもいるでしょうか?」
「・・・人魚姫?」
「もしいるなら、お友達になってみたいです。そうしたら、もし・・・・人魚さんが人間の王子様を好きになってしまったら、私が・・・話せるように、泡にならないように人間になる魔法をかけてあげるのに・・・。」



キョーコさんは、初めて見る大きな海を前にメルヘンの国へ行ってしまったのか、るるるるる・・・と目に涙をためて、蓮様を見ます。



「だって私は人間だったから、王子様を好きになっても、泡にならなくて済みました・・・。」
「・・・・・・くすくす・・・・こんな所で君に口説かれるとは思わなかったよ・・・。お礼に・・・たまには君も小さくなるといい。」



――ぽん☆



「はわわ・・・?私、小さいですか?でもいつものニワトリの大きさじゃないですねっ?」
「今日は君が好きな小さなオレと同じぐらいにしてみた。どう?」
「敦賀さん・・・大きいですね。一度でいいからこうして抱きしめて貰いたかったんです(・・・父様・・・(;_;))。」

見た目三歳のキョーコさんは、蓮様の抱きしめてくれた腕の中で、ぎゅっとしがみつきます。

「娘が出来たら・・・こんな子になるんだろうな・・・・。」


蓮様はキョーコさんが本当の子供のように甘えっこになってしまったので、頭を撫でて、そして、ちゅ、と軽い音を立てて額に口付けます。


「今日はね、夜までココにいよう?近くにね、父王の知り合いの、この国の王が持っている土地がある。そこに今日はお休みできるようにしてもらった。」
「はい☆王様は、神様の国の人とも仲良しなのですね、すごいです♪」



そして夜。


泊まるためのおうちのすぐ目の前にある砂浜に、いつもの赤いチェックのシートを引いて、蓮様と元の大きさに戻ったキョーコさんが寝そべっていました。キョーコさんは、ニッポンの国の王様からのプレゼントの、薄いピンクの花があしらわれたキュートな浴衣を着せて貰っていました。二人は寄り添い手をつなぎ、のんびり星空を見上げています。空一面に、隙間が無いほどの星の山。


「ねぇ、本物の星に願い事をしても叶うっていうね。」
「流れ星・・・流れる間に三回お願い事をって・・・・・・・あ〜〜〜〜〜!!!」
「流れたね。ずっと・・・お願い事を言っていたらどう?きっと、次見るときには言えているから・・・。」

うふふ、と笑ったキョーコさんは、がばり、と身体を起こし言いました。

「ね、ね、敦賀さんのお願いは、私でも叶えられることですか?」
「・・・・・・そうだね・・・・・・君じゃなきゃ叶えられない、お願いかな?」
「じゃあ、やっぱり言ってくださいっ!!すぐ叶えてあげますからっ。」
「そう・・・?やっぱりね、お願い事は言わないからいいんだよ。君にお願いを叶えて貰えるように・・・ねだるから・・・。」
「そうですか・・・・?じゃあ、叶えてあげますから・・・叶ったら教えてくださいね。」
「・・・そうだね・・・・。」



その晩、いつまでも二人で砂浜で手を繋いで、空の星と、砂の星に、たった一つ同じお願いを続ける蓮様とキョーコさんがいました。



☆☆☆・・・・・・ますように・・・☆☆☆




「ねぇ敦賀さん、お願いごと・・・1つずつでも・・・みんながしたら、見えている星の数じゃきっと足りませんねっ。」
「誰かの願い事が叶ったら・・・新しい人のところへ叶えに行くんだろう?」
「じゃあ、叶ったらもう一個お願い事するのに時間置かないとダメでしょうか。」
「・・・一生懸命お願いして、また来てくださいって、星の神様に届くように、星の妖精か星の神付きの天使にでも予約しておいたら?君ならきっと、星の妖精も星の天使も見えると思うけど・・・。君なら太陽の神にもいつか会えるんじゃないかな?」
「・・・・天使さんにも人魚さんにも太陽の神様にもお会いしたいです。お願い事って一つにするのは、難しいですね・・・欲張るときっと叶わないので、一つずつお願いする事にしますっ☆☆☆」


二人が話をしている間にも、するするする・・・と、幾つも流れ星が流れて、流れるたびにキョーコさんの手は蓮様の手をぎゅっと握り、声に出さずともわくわくしているのが、まさに手に取るように分かりました。


「敦賀さん、また連れてきてくださいね☆☆何度も来て、ちょっとずつ星の神様の抜け殻をもらって帰って、いつかウチのお庭に、星の砂と太陽の砂の砂場を作りましょう!きっと、いつか会える私の赤ちゃんが、それで遊んでくれます。」
「うん、そうだね・・・・。」


その晩、いつまでもいつまでも、流れ続ける穏やかな波の音に癒やされながら、お星さまと星の砂に、たった一つのお願い事を続ける蓮様とキョーコさんがいたのでした。



おしまい☆☆☆













2007.06.13

実家で小さい頃貰った星の砂の小ビンが出てきました。
お願い事を入れた紙が入っていました(笑)。
それを見て書きたくなったら・・・ふわふわ。りさんにもまた新しい素材が増えていました。
コレは書いたらいいよ、のゴーサインだと思って書いてみました☆

書いている間ずっとこちらのブログ→やまねこハ長調の「やっぱりピアノが好き!」様→の「きらきら星変奏曲(@モーツアルト)」

を聞きながら書き上げました。
ふわふわ、り。さん、やまねこさん、インスピレーションをありがとう!