魔法の国のキョーコさん@花のワルツ 1.5



次の日の朝。
ぱっちりと目を覚ましたキョーコさんは、嬉しそうに蓮様を起こします。

「敦賀さん、起きてくださいっ。いいお天気ですよ???」
「・・・・・・おはよう・・・・早いね。」
「だって、今日はお隣の国へお出かけできる上、メイクも出来る日ですものっ☆」
「あぁ・・・・。」


身体を起こした蓮様は、目に飛び込んできた一面真っ白の銀世界を見て、「ホワイトクリスマスだね」と言いました。キョーコさんは、うふふ、と笑って、雪のついた手編みの靴下を自慢げに蓮様に見せます。「昨日、もみの木に編んだ靴下を下げたのですけど・・・妖精さんから、クリスマスプレゼントが入っていました!ほら☆。」

靴下の中から、モノを次々と取り出しては、大事そうに手のひらの上に置きます。

「つららの妖精さんからは、氷の花束☆雪の妖精さんからは、雪で作った雪の結晶のオブジェ。それから、玄関の妖精の木の妖精さんからは、来年の魔よけ用のリース☆みんな手作りなんです!私も、妖精の木の実に魔法をかけて、すっごく大きくしたのを山ほど置いておきました。もう、食べられないって言うぐらいに大きいのをね!」

キョーコさんの手の中から、蓮様の手の中に、妖精サイズの、小さな小さな氷の花束と、雪の結晶、そして、魔よけのリースを置いて、自慢します。蓮様の大きな手のなかでは、ほんの小さなおもちゃみたいで、蓮様も「良かったね。」と言って、それらに魔法をかけました。

――ポン・・・☆


「少し大きくしてあげた。それと・・・冬のあいだ溶けないように魔法をかけてあげたよ。」
「ありがとうございます!」


嬉しそうに出窓に並べて飾ったキョーコさんは、蓮様に言いました。


「敦賀さん、クリスマスプレゼントです。手編みのガウン・・・・お揃いで・・・・。」
「くすくす・・・・それのせいだったんだね?秘密の部屋が出来た正体は?」
「そうですっ。」

薄いベージュ色のとても大きいモコモコしたガウンを羽織った蓮様は、ありがとう、と嬉しそうに言いました。

「とても柔らかくて気持ちがいいね。編むの大変だっただろう?」
「うふふ・・・・喜んで貰えただけでいいんですっ☆この毛糸は倖一さんに頼んで分けて貰ったんです。とても貴重な毛糸らしいのですけど・・・すごく遠くの国の、メェメェ、と鳴くという、とても可愛いと評判の動物の毛で編んであります。白いモコモコの毛で、その、メェメェ・・・と言うのは、えーと、」
「・・・・ヒツジ、かな?」
「そう!それです。カイコさんとちがって、すごーく大きくて、すごく可愛いんだそうですっ。」
「なるほど?」
「それは・・・・ウチでも飼えますか・・・・?こんなに沢山の毛が取れるっていうことは、実はものすごく大きい動物なのかしら?」

くすくす笑った蓮様は、

「どうかな・・・聞いておくよ。」

と言って、キョーコさんに、もう一つの小さなガウンを着せて、互いにモコモコの中で、ぎゅう、と温め抱きしめあって、そして「じゃあ、お出かけの用意をしよう。」と言いました。


「はいっ☆」



*****************



その日。お隣の国は、深夜も朝も無く、沢山の人間が徹夜でパーティの用意をしていました。


全てを周りに任せて、朝、いつものようにぼんやりと部屋でくつろいでいたレイノさんの部屋には、元気な妹姫がまたやってきていました。


「おにーさまっ、もうお目覚めになっていらっしゃるんでしょう?」
「・・・・・・寝てる。」
「今は・・・・そんな冗談にお付き合いしている暇は無いのですわっ。今日は、わたくし久しぶりに蓮様とお会いできるんですもの。お兄様、蓮様の姫のお相手、宜しくお願いいたしますわね!」

「・・・・あぁ・・・・。」

「・・・・お兄様にしてはやけに素直ですのね・・・。一体どんな風の吹き回し・・・?お兄様がやる気になるなんて・・・・そんなに蓮様の姫は美姫でいらっしゃるの?」

「・・・・・美姫・・・ねぇ・・・・能力と・・・まあ可愛げはあるな・・・・。」


思い出し、くすくす、と含み笑いをしたレイノさんを見た妹姫は、普段他人に対してまったく興味が無い兄が、「思い出し笑い」までする事に、更に驚いた顔をして、


「お、お兄様、言っておきますけれど・・・・相手方の姫を連れ出して・・・押し倒したりなんかはなさらないで頂きたいですわ。」

「・・・・お前がそれを言うか(・・・・オレは偵察にまで行かされたんだぞ・・・・))。」

「わ、わたくしはっ・・・久しぶりに蓮様とのダンスと会話を・・・・誰にも邪魔されずに楽しみたいだけですわっ・・・。」


少しだけ頬を染めて、視線を逸らした妹姫に、「オレも誰にも邪魔されずに楽しみたいだけだが?」、と繰り返した。


「おっ・・・お兄様はっ・・・す、すぐに人のモノに手をおっ・・・お出しになるからっ・・・・ミロクがどんなに後始末に時間を割いているのか・・・少しはお知りになった方が宜しいのですわ。」

「・・・・・たまたま、相手をした女が、人のモノだっただけだろう。相手がそう望んでいるから相手をするだけで・・・望み通りに、」

「おにーさまっ!!!!私の御姉さまになられる方は、未婚の、普通の姫にして下さいませね!!」


ぷりぷりぷり・・・と、怒って出て行った妹姫にレイノさんは、「・・・お前に諭される日が来るとはな・・・」、と一人、悪態をつきました。





つづく☆





2007.04.18

更新が思うように進まないので、出来上がっていたところまででめずらしく0.5更新をしてみる。きょーこたん・・・どんどんぴゅあ1000%増に近づいていく・・・様な気がするのですが・・・・・・けどホント大人ぴゅあきょこたんシリーズは、大変強いニーズがあるので・・・ありがたいです(笑)。全てのイメージは15巻総扉・各赤ずきん扉☆