魔法の国のキョーコさん@犬の王子様番外編
―― 最高に不幸せで最高に幸せだった蓮王子の一日編 その3――







――次の日の朝。



「今日は何の魔法を覚えようかしら〜♪」


相変わらずご機嫌のキョーコさんが家から出てきました。お隣のショータローさんのおうちを覗き、誰もいないのを見て、一人で出かける準備を始めました。



「蓮様、蓮様っ。」
「後をついていこう。」



そして。



『ねぇねぇ、お嬢さん。』
「私、動物の声まで聞けるようになったのかしら?」
『オレの声、聞こえるの?』
「だって、今、呼びかけたでしょう?」
『オレを、泉まで連れて行ってくれないか?』
「いいけど・・・。」



『こうして運命の日は、やってきました☆』











――その日の晩。キョーコさんが眠ってしまった後。









「倖一さん。」
「蓮様?」
「オレは、この子を生涯の伴侶に。」
「はい・・・・。」


鳥の姿の倖一さんは、その小さな目からぽろぽろと涙を流し、その羽で涙をぬぐいます。




「とても強い魔法力、とても素直で優しく自然なお方。たとえ魔法犬だと思っても蓮様をとても大事にして下さった。人間だとわかっても、ベッドに入れてくださった。きっと蓮様もお幸せになれるでしょう。」
「反対しないんだ?」
「しません、しません。蓮様がお選びになられたのでしたら。もうあの見合い写真を片付けなくて済むのかと思うと、嬉しい限りです。」
「ははっ・・・・確かにね。帰ってから写真を見なくて済むし、宰相の小言ももう聞かないで済むかな・・・・。」






――むにゃむにゃ・・・・

――コーン・・・・れどもにともっ・・・・☆

――ぽんっ・・・・☆



「あ、あぁあっ!!」


ぎゅう、と大事そうに抱きしめていた蓮様を、寝言と共に元に戻す魔法をかけて戻してしまったからさあ大変。倖一さんは再びおろおろし始め、赤面して家の外に出て行ってしまいました。




なぜなら蓮様はもちろん服を着ていません。しかもキョーコさんは一度目を覚まし、ぼやぼやと目をこすり、元に戻った蓮様に抱きつき再び強くぎゅうと抱きしめ、嬉しそうに蓮様の身体に頬を摺り寄せたからです。




「コーン・・・会いたかったの・・・・すきっ・・・☆」




――もう・・・・・・・どうしてくれようか・・・この娘は・・・・。




――オレの理性を試しているのか?
――口説いているのか
――いいや、絶対違うだろう
――どうせ君のことだから・・・・・



「・・・・・・・・オレの夢でも見ているんだろう?」





『あぁ、本当になんて無防備な・・・・。』










蓮様は自らに魔法をかけ、コーンの姿になるとキョーコさんの頬に口付けます。
そして、再び目をうっすらと開けた夢の中のキョーコさんに言いました。






「キョーコちゃん、今でもオレと結婚したい?」
「うん・・・・☆」
「じゃあ、決まりだ。」







蓮様は、すやすや眠るキョーコさんを見守ります。
そして、ぎゅうと、キョーコさんの身体を抱きしめ返して、言いました。






『神様、この子を無事に育ててくださってありがとうございます。』















最高に幸せのひ、おしまいっ☆



2007.03.23